著名投資家レオン・クーパーマン氏が米財政悪化を心配し、金利上昇と米国株市場の長期停滞を予想した。
「世界で起こっていることを見ると、世界に対して保守的な見方を持たざるをえない。
PERを高すぎ、下がるだろうし、すでに下がってきた。
市場に対して微妙に考え方を分けるべきだ: 1つはS&P 500で、もう1つは個別株だ。」
クーパーマン氏がFOX Businessで、米国株市場に慎重なスタンスを継続した。
クーパーマン氏は、米個別株にはお買い得なものが多くあるとするものの、市場全体は高すぎるという。
具体的にはS&P 500のPER 19倍は高すぎると語った。
PERの低下を予想する主因は、同氏がまだ金利が上昇すると予想するためだ。
2008年のリーマン危機前、10年債利回りは名目GDP成長率と同程度だった。
つまり、インフレが3-4%で、実質成長率が数%なら、10年債利回りは少なくとも5-6%になる。
そこまでいっても、私はワクワクしないだろうが。
クーパーマン氏の債券エクスポージャーは2年までの短期側、待機資金に限られているという。
短期で5-6%なら株式より有利と考えうるという。
金利上昇とともにクーパーマン氏が警戒するのは経済の先行きだ。
同氏は、米国の悪化した財政状況が経済の足を引っ張り「米市場とS&P 500がとても長く停滞する」と見ている。
「とても積極的な財政政策を採り、需要を先食いしてきた。
私たちは不換貨幣(発行)に頼るか、政府が財政赤字に対処し始めなければいけない。
財政赤字に対処し始めるなら、企業の利益や経済成長にマイナスだ。
私がまだ若い頃はクラウディング・アウトが心配されたものだが、今はそういう議論もされていない。
銃とバターの議論(訳注:公共と民間の投資のトレードオフ)もない。
銃もバターもの政策となれば、さらにインフレ圧力になる。」
クーパーマン氏は、来年中の景気後退入りを予想し、そうなればインフレが鎮静化するだろうと話した。