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【短信】米失業率は中立失業率を割った:ローレンス・サマーズ

ローレンス・サマーズ元財務長官が、9月の米雇用統計を受けて、FRB金融緩和にとどめを刺すような主張を展開した。


「需要はたくさんあるが、供給はそうはない。
だから、失業率はみんなの予想より大きく下がり、賃金上昇は大きかった。
需要に関して経済は弱くない。
数か月前にみんなが予想したより人々の労働への積極性は低下してしまった。」

サマーズ氏がBloombergで、供給側の問題が雇用統計に如実に表れていると指摘した。

米労働者が8日発表した雇用統計は

  • 非農業部門雇用者数(前月比): 194千人(市場予想500千人)
  • 失業率: 4.8%(前月比0.4%ポイント改善)
  • 平均時給(前月比): 0.6%(市場予想0.4%)

米経済の問題が需要側にあるなら、金融緩和はその1つの解決策となりえる。
しかし、問題が供給側にあるなら、特効薬とはなりえない。
供給制約が設備にあるなら短期間には解消しないし、労働力や通商・外交政策にあるなら金融政策がやれることは小さい。
異例の強力な金融緩和の継続を正当化する材料は1つ失われる。

「9月の平均時給は年率換算7.5%上昇した。
これは、いかなる合理的なインフレの理論とも合致しない。
失業率が下がれば、状況はさらに悪化するかもしれない。」

平均時給が7.5%(月0.6%の年率換算)上昇している時に金融緩和を継続するのは経済理論に合わないとサマーズ氏は批判する。
同氏は攻めどころをインフレから失業率にまで拡大している。
FRBのデュアル・マンデートの両方を俎上に載せ、あたかもハト派の主張にとどめを刺しにいったかのようだ。

コロナ後に進行中の構造変化を考えると、おそらく失業率は自然または中立の失業率を下回ったのだろう。
この組み合わせは、インフレについて大きなリスクを取る以外の何ものでもない。
現状をとても心配している。


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