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【短信】温暖化対策は供給でなく需要から:ローレンス・サマーズ
2021年10月18日

ローレンス・サマーズ元財務長官が今週も小言を述べているが、そこから2つ秀逸なものを紹介しよう。


FRBは話しているより速くテーパリングを行うべきだ。
今の経済で、どうしてさらに4,000-5,000億ドルも債券買入れが必要なのか。
FF金利は実質ベースでマイナス4%、とても大きな財政赤字、記録的な労働者不足・退職となっている今の経済で。

サマーズ氏がBloombergで、FRBはテーパリングを加速すべきとコメントした。

このネチネチと畳みかける正論は癖になる。
特にここで効いているのが、マイナス4%の実質FF金利。
ゼロ金利政策の下でインフレが4%になったから、実質でマイナス4%となる。
(一時的とはいえ)強烈な金融緩和状態であり、これこそリフレ政策が目指した状態だった。
仮に米経済の実質中立金利を0%と見ても、マイナス4%は緩和しすぎなのではないかとなるはずだ。
一方で市民はインフレに目を回しつつある。

もう1つ冴えていたのが、地球温暖化に関するFRBの行動範囲だ。
サマーズ氏は、FRBが広く定義しすぎているという。
さらに、エネルギー価格が世界の特に貧しい人たちを苦しめている点を心配した。

政策の主旨が化石燃料への資金供給を拒むこととする考え方について私はとても心配している。
化石燃料の供給を減らすことよりむしろ需要を減らすことに重点を置くべきだ。

各国政府も中央銀行も、供給側に対して強く出るのは得意だが、エネルギーの最終消費者に対してはあまり強く出ない。
需要を野放しにして、供給を締め上げれば、エネルギー価格が高騰するのも当然だ。

似たような話をアスワス・ダモダラン教授がしていた。
ESGを皮肉りつつ、「本当に私たちが世界をよくしたいなら、個々の家庭から始めないといけない」と言っていた。


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