海外経済 投資

【短信】株価を支える次善の策:ジェレミー・シーゲル

ジェレミー・シーゲル教授が、いつものように強気見通しを語りつつも、経済・市場のダウンサイドを意識した発言を増やしている。


「FRBが(利上げを)終わらせるべきであることに疑問の余地はない。
前回FOMCから長期側で約50 bpも引き締まっている。」

シーゲル教授がCNBCで、FRBは利上げを終了すべきと話した。
歳出が抑制される中での長期金利上昇は、短期金利上昇より景気に与える悪影響が大きいと指摘した。
さらに、政府閉鎖の可能性が残っていること、労使対立などの不確実性からも、これ以上の引き締めは適当でないとした。

シーゲル教授の強気の結論は揺らがない。
市場を動揺させている金利上昇は強い経済成長によるものだとし、株式市場が吸収できるとの考えだ。

今はS&P 500が来年の利益の17倍であり、私にはとてもとてもよい株価に見える。
テクノロジーを除くと14倍、欧州は10-11倍と、高金利の多くがすでに株価に織り込まれているように見える。

シーゲル教授は適正なPERを「20倍ではなく10台の上の方」と話している。
10%弱の調整を済ませた結果、PERはすでにその水準にあるとした。
また、2024年の企業利益についても強気の見方を続けている。

米市場の心理悪化もあり、最近の《永遠のブル》は強気予想を述べてもキャスターに反論される場面が見られるようになった。
この日も軽く突っ込みを受けると、住宅ローン金利上昇などの懸念材料を追加でコメントしている。
そして、《次善の策》とも言うべき希望を語りだした。

米経済の鈍化を予想するわけではないが、もしもそうなるなら、FRBは2023年の急速な利上げと同様、急速な利下げを実施すると望みたい。
そうなるなら、それが合理的なPERのクッションになる。
私は12月31日は今より上げて終わると予想している。


-海外経済, 投資
-, ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 本サイトでは、オンライン書店などのアフィリエイト・リンクを含むページがあります。 その他利用規約をご覧ください。