JPモルガンのマルコ・コラノビッチ氏が、FRBの強力な金融緩和を根拠に、来年前半の株価回復を予想している。
FRBによるリスクフリー金利と信用スプレッド両方の圧縮は、一時的な利益の喪失というマイナス影響より大きなプラス影響を株式バリュエーションに及ぼす。
JPモルガンのレポートをBloombergが伝えている。
同レポートでは、FRBの金融緩和により年内のどこかで経済の再始動が実現するとの前提を置いている。
さらに、リスクフリー金利と信用スプレッドの圧縮により、将来利益の割引率は125 bpまで低下するとしている。
この極度に低い割引率から強気予想が出てくるのはある面当然だ。
大幅な割引率の圧縮を考慮すれば、3つの利益影響シナリオのすべてで将来の利益の現在価値が危機前の水準になる。
これは、金融政策手段が継続するならば、S&P 500が以前の史上最高値に達することを意味する。
コラノビッチ氏は3月初め、FRBが第1弾の金融緩和に踏み切った時、来年後半の高値回復を予想した。
その後、FRBが青天井のQEを発表した時、回復時期を来年前半に前倒ししたという。
一方、中央銀行が割引率を圧縮できない国では、株価が3割下落すると予想している。