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【短信】景気鈍化が引き延ばすPERの持続性:ビル・グロス

ビル・グロス氏が、景気後退がなくとも鈍化があるだけで株価に下押し圧力になりうると話している。


「インフレが2%なら10年債利回りは4%近くだろう。
インフレが3%なら5%近くだろう。
今は10年債利回りは真ん中の4.5%で、ブレークイーブン・インフレ率は2.20%まで下がった。
・・・名目10年債利回りは4.70%で均衡し、今はちょうどそのあたりだから、新しい材料が出るまで大きく動くことはないだろう。」

かつての債券王がBloombergで、現状の米金利について解説した。

近いうちに材料が出てきそうなのは、まずはFRBの金融政策だろう。
グロス氏は、FRBの意図と市場の受け取り方を代弁する。

「FRBは基本的に、仕事を終えた、利上げについておそらく95%仕事を終えたとのシグナルを出している。
・・・市場の方は、現状の経済指標がこれまでと同程度なら(今月は)据え置いて、9月、12月におそらく1-2回利下げすると予想している。」

グロス氏は、相関が崩れた株式と債券の関係について尋ねられると、現在は両者の相関を重視していないと答えている。
現在の米国株市場はAI関連などモメンタム主導の相場になっており、そうした時期には相関が崩れやすいと解説している。

金利が当面落ち着き、しかも株式と債券の相関が崩れているなら、株価は安泰なのか。
一概にそうは言えないようだ。
グロス氏は、経済鈍化だけでも株価に影響が出うると述べている。
企業利益が市場期待に届かない場合だ。

米国株はPER 21-22倍で、市場最高値かそれに近い。
私の考えでは、もしも米経済が鈍化し、私は鈍化していると考えているが、必ずしも景気後退とはならないかもしれない。
でも、経済が鈍化し、利益成長が市場予想をクリアできなければ、多くの銘柄でバリュエーションに問題を生じるだろう。

こう言いつつも、銘柄次第では投資できるものがあると話し、従前どおり、パイプラインMLPやマイクロソフト株を例に挙げている。

なお、グロス氏は切手の収集家としても有名で、今月一部をオークションで売却すると報じられている。
売却額は20百万ドル(約30億円、実現すれば史上最高記録)に上るとの予想もある。
この売却が注目を浴びる理由の1つは、これが収集品の売却だからだ。
市場にバブルが生じ、金融資産が軒並み買われていくと、価格高騰は収集品にも及ぶのが経験則。
グロス氏が今をバブルの売り時と考えているのではないかとの観測が存在するのだ。
このあたりを遠回しに尋ねられると、グロス氏は遠回しに否定している。

「自分はもう80歳で、他の将来の収集家に引き渡す時期だ。
・・・子供たちももう集めていないしね。」


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