PIMCOのエリン・ブラウン氏が、米金利や米国株の先行きについてコメントしている。
利回り上昇のピークを言い当てるのはとても難しい。
ブラウン氏がCNBCで、最近の長期側を中心とした米金利上昇についてコメントした。
ピーク予想が難しいとは、裏を返せば、まだ上昇が続く可能性も否定できないのだろう。
背景には、財政赤字等に起因する米国債供給増がある。
ブラウン氏は米経済・市場に対し慎重だ。
「景気後退となるか否かは別として、経済環境は来年にかけて鈍化に向かっている。
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結果の確率分布は現在とても広がっている。
これが不確実性を高め、一方的に株式を買うのが難しくなっている。」
ただし、短期的な見方はもう少し複雑だ。
- 過去3か月: 金利上昇を折り込む形で株安。
- 今後年末まで: 企業業績はそこそこ良く、季節性も有利なので株高。
- 来年: 金利感応度の高いセクターが打撃を受ける。
ブラウン氏は足元の業績より、来年についてのガイダンスの方に注視すべきと話す。
自身は「はるかに曖昧ではるかに不確実性が高まる」と予想している。
短期では買いだが、2024年に入るにしたがい売り始める準備をしておけ。
来年ははるかに厳しくなる。
イス取りゲームも終盤といったところだろうか。
そうした認識におけるブラウン氏のポジションは次の通り。
- フィクストインカム:(金利上昇余地があるのとは相反するが)長デュレーション。
特に中期・長期の投資家には魅力的な水準。
エージェンシーMBSが安い。 - 株式: クォリティ、ディフェンシブをロング。
シクリカル(特に自動車・住宅など消費者向け)をショート。
金利は上昇余地があるが、中期・長期なら巻き戻すという読みだろう。
株式は、景気の鈍化・後退を見込んで、景気敏感でないものをというわかりやすい選択だ。