《バリュエーション学長》の異名をとるアスワス・ダモダラン教授が、1月1日時点でのS&P 500の理論価格を計算し公表している。
19日、例年通り自身のブログで詳細な計算過程・スプレッドシートを公表している。
主な前提は
- リスクフリー金利: 1.51%(1日の10年債利回り)から5年で2.5%へ上昇
- 株式リスクプレミアム: 5%
- 利益予想
- 2022-23年: アナリスト予想
- 2024-26年: 成長率について2023年と2026年以降を線形内挿。
- 2026年以降: 成長率2.5%(リスクフリー金利と同じ)
この前提の下で1月1日付S&P 500の理論値を4,320.31としている。
(12月31日終値は4,766.18。)
ダモダラン教授は1日からの大きな変化として10年債利回り上昇を挙げている。
19日現在1.87%まで上昇しており、これは理論値を押し下げる要因となる。
(同日S&P 500終値は4,532.76。)
ダモダラン教授はこの理論価格をファンダメンタルズに基づく「本質的価値」と呼んでいる。
計算結果と市場価格に差があって当然と考えているのだろう。
では、私たちはこの計算から何を読み取ればよいか。
例えば、金利上昇に注目する場合:
ダモダラン教授が前提とした長期金利上昇を大きく逸脱するようなら赤信号
といったように見ればよいのではないか。
それは利益予想でも同様であろう。