ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、コロナ・ショック脱出のための4段階を説明し、現状の市場の織り込み度合いを推測した。
経済の側、したがって市場の回復のためには4段階が必要だ。
シーゲル教授がWisdomTreeでのコンファレンス・コールで、経済・市場の回復についての道筋を語った。
教授が挙げた4段階とは:
- 財政・金融政策での対応: とりあえず強力な政策が打たれた。
- 感染・死亡カーブの平坦化
- ワクチンと治療法の開発
- 試験・診断・データ収集方法・体制の確立
この中で、特に3点目の議論において興味深い発言があった。
「ワクチンはパンデミックを止めるための金本位制のようなもの。・・・
粛然たる事実は、ジョンソン&ジョンソンの発表で、今から1年後まで待たなければならないということだ。」
ここで、シーゲル教授は、米市場の手触りを感じさせる発言をする。
米経済再開まで1年は待てないと話す。
市場は2-3か月のシャットダウンなら耐えられるだろう。
今市場に織り込まれているのはその程度だと思う。
6-9か月のシャットダウンは織り込まれていない。
6-9か月のシャットダウンとなれば、さらに下落、はるかに大きく下落するだろう。
シーゲル教授は、シャットダウンが続くにつれ、経済が構造的に委縮してしまうと考えているのだろう。
教授と市場のとりあえずの希望は2-3か月なのだ。
しかし、これは明らかにワクチン開発には間に合わない。
教授は、とりあえず既存薬による対症療法でしのぐしかないという。
もしも死亡者数を無くす、または大きく減らす薬が出てくれば、たとえ俗にいう死に至る病であるとしても、致死率を下げるなら、市場心理を大きく改善する。
比較的早いうちにそうなる可能性はある。