GMOの共同創業者ジェレミー・グランサム氏が、今回のバブル崩壊過程の特殊性を語っている。
この(バブル)収縮期にはいくつか独特の阻害要因があった。
このところずっとバブルを警告しているグランサム氏がBloombergで、急激な崩壊が起こらない理由を語った。
1つ目はグランサム氏の専売特許《大統領サイクル》だ。
これは大統領選にかかわるアノマリーだが、近年は逸脱も見られている。
以前グランサム氏が1932年からオバマ政権開始までの月間株式リターンを調査したところ
- 1・2・4年目: 0.2%
- 3年目: 0.75-2.50%
という結果だった。
今回もその通りのことが起こっているという。
「大統領任期の2年目の10月1日から3年目の4月末までには大きな市場下落が起こることはなかった。
・・・この7か月での上げは残りの41か月の上げと等しい。
・・・この期間の平均上昇率は約15%で、今回も13-14%と当たっている。」
2つ目は1月のアノマリーだ。
「グロース株が大きく下げた場合、仮に弱気相場が終わっていない場合でも、次の1月には必ず素晴らしい反騰がある。」
月別のアノマリーはともかく、大統領サイクルについていえば、あと3か月で任期4年目の年となる。
グランサム氏は、景気刺激策が選挙の1年1四半期前までに講じられるというから、すでに大統領サイクルの追い風は止みつつあるという計算になる。
ならば、グランサム氏のいうようにバブルは萎んでいくのだろうか。
グランサム氏はもう1つ収縮を阻害した要因があったと話した。
AIブームを材料とした上昇だ。
間違いなくAIは現実のもので、大きな効果を上げるだろう。
それがバブル収縮を止めるのに十分なほど大きくすぐに得られるかと言えば、そうは思わない。