債券界のウォーレン・バフェットとも呼ばれるLoomis Saylesのダン・ファス副会長が、ファンド運用から引退する。
ファス氏は87歳。
投資業務のキャリアは60年以上。
うち40年以上をLoomis Saylesで積み上げた。
3月1日をもってファンド運用から退き、同社シニア・アドバイザーに就任する。
先月も転んでお尻を打ったとの報道があった。
スーパースターが高齢であることのリスクを感じさせるニュースだった。
しかし、その時はこうもあっさりと引退するとは感じられなかった。
引退を報じたBloomberg記事のタイトルは「『債券のウォーレン・バフェット』がファンド運用から引退」というもの。
卓越し、また敬意を集めるがゆえに、しばしばバフェット氏と重ね合わせられる。
もちろん誉め言葉なのだが、それでもファス氏に対して少し失礼な感じがする。
FPでは極力その形容を用いることはしなかった。
投資の世界のスーパースターが次々と引退の時期を迎えることになるのかもしれない。
問題は、それを補うように優れた若いスーパースターが生まれてくるかだ。
(仮に新たなスターが生まれないなら、FPもお伝えするテーマがなくなってしまう。)
ふと気づくと、AIばかりが運用者を務め、そこから発するのが人間には理解しがたいメッセージになってしまうようなことがないよう祈りたい。