アリアンツ経済顧問モハメド・エラリアン氏は、価格の修正局面がまだ終わっていないとして、慎重なスタンスを奨めている。
もう何週間も『今は賭け金を減らすべき時だ』と言ってきた。
エラリアン氏がBloombergで、改めてリスクテイクを抑制すべきと主張し、慎重なスタンスを継続している背景を語った。
良いニュースは、価値の修正が進んでいることだ。・・・
悪いニュースは、その修正がとても歪んだ価格水準からのものであるため、価値が完全に修正されるまでまだ時間がかかる点だ。
歴史的な低金利と金余りを背景に、ほとんどの資産クラスで資産価格は強気相場が続き、高値圏にあった。
その価格が反転を示しつつある。
価格が低下することは「苦痛をともなう」が、価格が持続可能な水準に近づくことは、将来に向けては喜ばしい面もある。
重要なのは、十分に持続可能な水準に近いか、であろう。
「2年債利回り2.76%は魅力的かといえば、1%よりはいい。
でも、流動性パラダイムを変化させる調整が終わったのかどうかわからない。」
流動性が溢れかえる市場環境は終わりを告げる可能性が高まっている。
FRBが利上げを進め、さらにバランスシート縮小で超過準備が減少するにしたがい、市場の流動性も影響を受けるだろう。
しかし、利上げはまだ開始したばかり、バランスシート縮小は始まってもいない。
市場は、将来の流動性収縮をすべて織り込んでいるだろうか。
もしもそうでないならば、織り込みが進むにしたがい、さらに資産価格には下押し圧力となろう。
エラリアン氏は、修正がまだ終わっていないと考えている。
だから慎重スタンスを継続しているのだ。
同氏は、引き揚げた賭け金の退避先についてコメントした。
もちろん、インフレが8.5%の時に現金は魅力がない。
でも、債券市場は10%下げ、NASDAQは15%下げた。
現金は短期的な退避場所としては悪くない。