ハワード・マークス
 

【短信】低リスク・高リターンの幻想:ハワード・マークス

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、投資に慎重に臨むよう促している。
世界的な低金利の中で低リスク・高リターンの幻想など描くべきでないと話した。


世界は10年くらいに一度、すべてが確実とされていた時に、混乱を迎えてきた。
私はそれを万能薬と読んでおり、リスクなしに容易に利益が得られるやり方だ。

マークス氏がBloombergで、過信の中で生じがちな油断を戒めた。
同氏はリターンの最大化とリスクの最小化を両方実現することはできないと指摘。
現在の環境でどちらを優先するかといえば「リターン最大化より賢明な投資」、つまりリスクの制御が必要との考えを示した。
世界的な低金利の中で、投資家の中に過剰なリスク・テイクをいとわない例が見受けられる現状を踏まえたものだ。

マークス氏は従前からの持論どおり、経済にストレスや混乱が生じることは正常な現象だという。
むしろ、経済をリセットするためしばしば必要なプロセスであるとの考えだ。
逆に、リセットが長い期間なければ、経済・市場に過剰が澱のように積み重なっていってしまう。

「そして(リセットが)やってきた時に、それが強大になってしまう。」

どこに過剰はたまっているのか。
マークス氏は、クレジット市場における危険領域を語った。
サブプライム/リーマン危機前のようなデリバティブではなく、未公開市場の投資・債務なのだという。
同氏は具体的な資産クラスを挙げていないが、いくつか推測するなら、未公開株(VB株)やレバレッジド・ローンといったところだろうか。

とは言え、マークス氏は、現在がバブルというべき状況だとは考えていない。
だから、投資をやめてしまうべきでなく「いつもより慎重に」投資を継続しているのだという。
「攻めた証券」への投資が確実と考えるのも、市場撤退が確実と考えるのも、等しく間違った判断だと話している。

現在がバブルだとは思わない。
投資することに少し心配があるが、同じように投資しないことにも少し心配している。


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