海外経済 投資

【短信】中銀デジタル通貨とイノベーション:ラグラム・ラジャン

ラグラム・ラジャン シカゴ大学教授が暗号資産について興味深い発言をしているので紹介しよう。


私たちは気を付けないといけない。
国家当局がすべての活動に取り組めば、不公平に優位になり、また、あまりうまくいかないかもしれない。
FRBに預金すると考えてみた場合、どれほどの顧客サービスを受けられるだろう。

ラジャン教授の大学イベントでの発言を印The Hinduが伝えている。

以前ラジャン教授が総裁を務めたインド準備銀行(インドの中央銀行)は中央銀行デジタル通貨(CBDC)の段階的導入を発表している。
インド国内での注目度も高い教授だけに、CBDCについての発言が注目されている。
ラジャン教授の発言の趣旨は、暗号資産の分野での民間主導のイノベーションを阻害しないよう配慮すべきということだろう。

一方、ラジャン教授は中国のCBDC発行については、根本の考えが異なると話している。
民主主義の国では民業の圧迫をNGとする考えがあるが、中国の場合は真逆だ。
教授は「少なくともある程度は」アント・フィナンシャルやテンセントを同分野から排除する意図があると解釈している。

ここまで見ると、ラジャン教授はイノベーションに対して好意的であるように受け取れる。
そのとおり、イノベーションを大切にしている。
では、暗号資産に対してはどうか。
決して好意的ではないようだ。
ラジャン教授は、暗号資産の価値が何なのか、問い直す必要があるという。

しばしばその価値とは『これが世界を席巻し、すべての決済はこれによるようになる』というものだ。
競争が十分に存在するなら、決済は競争力にはならない。
これほど競合するものが多い中で、それが暗号資産の価値を維持するとは思えない。


-海外経済, 投資
-, , , ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。