ローレンス・サマーズ元財務長官(元ハーバード大学学長、現教授)が、コロナ・ショックに揺れる米国の現状を嘆いている。
みんなが知っていることを前提にしても、15日後のイースターの日曜日での完全なジャンプ・スタートは、21世紀の断トツ最悪の失策になるだろう。
サマーズ氏が28日Wiredのインタビューで、トランプ政権の拙速なウィルス対策を批判した。
トランプ大統領は3月16日に15日間のウィルス対策ガイドラインを示し、早期の正常化を目指していた。
専門家からは早すぎるとの指摘がなされていたが、大統領は強気な姿勢を続けていた。
結局29日、大統領はガイドライン適用の延長を余儀なくされた。
ソーシャル・ディスタンシングなどを定めたガイドラインを4月30日まで適用することとした。
サマーズ氏は政権の読み違いを批判する。
ウィルスの問題が人命・健康の問題なのに、経済を優先しようとしたこと。
安易な自粛解除がかえって経済を悪化させる可能性があること。
サマーズ氏は、深刻な危機に対する万能薬はないとしながらも、政策立案者やアドバイザーの信認を保つには正直なコミュニケーションが必要と話した。
サマーズ氏は、米国の底力について嘆いている。
第2次世界大戦で勝利をもたらした米社会の底力が失われたと嘆いている。
どうして米国は数週・数か月でテスト・接触追跡・人工呼吸器を行き渡らせることができないのか。
人工呼吸器はiPhoneよりはるかに単純なものじゃないか。・・・
中国人は10日で病院を建てている。
もっとも、iPhoneを作っているのはアメリカ人とは言えない。
アメリカ人というよりは中国人だろうし、韓国人や日本人の貢献も大きい。
危機が去った後、サマーズ氏が言うようなもっともな思いが、社会・産業の変化をもたらす時が来るのだろうか。