ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授は、米インフレが十分に低下する兆しは見えないとして、株式市場のローテーションの継続を予想している。
「インフレに関するニュースには何も改善が見られない。
雇用コスト指数が少し安心感を与えるところがあるが・・・賃金(変化)はインフレに遅れる性質があり、インフレ圧力の先行指標ではない。」
シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで28日、米インフレが鎮静化する様子は見られないと指摘した。
インフレが十分に低下しなければ、FRBは金融引き締めを進めざるをえない。
金融引き締めでインフレを抑制するということは、経済を少し冷ますということ。
市場は金融環境に対して熱しやすく冷めやすいから、経済を冷ますなら、市場がより敏感に反応してもおかしくない。
シーゲル教授は、今年のFRB利上げを8回分(2%)、インフレの状況しだいではそれ以上と予想してきた。
インフレが2%を超えている時には、政策金利を2%にしても経済を冷ますには十分でないと考えているのだ。
教授は、この金利上昇がグロースからバリューへのローテーションを引き起こすと予想してきた。
昨晩のAppleの素晴らしい利益はテック株を救うだろうか?
多分少しは救うが、金利上昇という基本的なマクロの力はすべての株式に間違いなく影響を及ぼす。
それがローテーションを継続させるだろう。
シーゲル教授は、自身の予想どおりのことが起こっていると胸を張り、今後も続くと予想する。
重要なインフレ指標であるコモディティ価格、原油価格、住宅価格が依然としてインフレ高止まりを示しているからだ。
「これら実際のインフレ指標が何も鎮静化しておらず、FRBは(インフレ退治に)専念せざるをえない。
来週は、これらインフレ圧力が引き続き金利を上昇させるか、注目することが重要だ。」