ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者のレイ・ダリオ氏が、今後の投資にあたって重要となる4つのポイントを明かしている。
「まず、正しい場所にいたいね。」
ダリオ氏が投資イベントで語り始めた。
投資家として、あるいは投資家へのアドバイスとして、何を堅持したいか尋ねられたもの。
1つ目はロケーションだった。
同氏は2020年シンガポールに、投資と慈善活動を目的としたファミリーオフィスを設けている。
2つ目はいつものダリオ氏に戻って分散だ。
「私が知っていることより、私が知らないことの方がはるかに大きくはるかに重要だからだ。
分散は、うまいやり方を知っていれば、リターンを減じることなくリスクを減らせる。」
3つ目は、テクノロジーがもたらすディスラプション(破壊)だ。
急進的に変化する世界で、新たなテクノロジーが「タイム・ワープ」を引き起こしているという。
ダリオ氏がこの分野で意図するターゲットが興味深い。
そして、破壊者もまた破壊されるだろう。
だから知りたいのは・・・新たなテクノロジーを生み出す者を選び出す必要はなく、新たなテクノロジーを可能な限り最良の方法で使う者を選び出さないといけない。
そういう者は、バブルとは比較的無縁だろう。
現状のAIブームにしても、実際の売上・利益よりはるかに先行して買われているところがある。
ダリオ氏の考えは、この手のブームに対する警戒心を反映したものだろう。
4つ目はいつものとおり債務だ。
債務、債券やそうしたものは保有したくない。
一時的に現金が良い。
米投資家が現金(Cash)と言う時、多くの場合は短期債やMMFのようなものを含んでいる。
米イールドカーブは依然として長短逆転している。
こうした状況では、利回り5%前後の短い債券が有利との判断だろう。
かつてダリオ氏は「現金はゴミ」と発言して世間を驚かせた。
(「なら私にください」というツイートが流行った時期さえあった。)
それが、一時的にしろ現金を推奨している。
利上げとは市場の風景を180度変えてしまう。
ダリオ氏は「一時的」であることを強調している。
「金利が良い。
でもそのまま持続はしないだろう。」