【短信】ポール・クルーグマン:債券バブルのバブル

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金融・財政政策両面で拡張的な政策を唱え続けるポール・クルーグマン教授が、金利上昇を危ぶむ人たちに反証を示した。
そうした人たちは「学習しない」と言うが、果たして教授の主張はどの程度の説得力だろうか。


「債券バブルのバブル: 過去の似たような予想。
しかし、誰も何も学んでいない。」

クルーグマン教授は、アラン・グリーンスパン元FRB議長が債券バブルを警告したことに反応してツイートした。
教授が列挙した4つの債券バブル予想では、3回で金利が逆に下落している。
債券バブルを唱える人は嘘つき少年のようなものだと教授は言いたいのだ。

しかし、冷静に考えよう。
あと1回は2013年のバーナンキ・ショックの頃。
後に下落に低下したからと言って、外れとしていいものか。
リスク管理とは、極めて小さな破滅的シナリオにも配慮するのが常道だ。
1/4の頻度で小さくない動揺が起こっていることを見過ごすことが適切なのか。
そもそも、金利が低下してきた局面をとらえて《経験的に金利は上昇しない》と主張することにたいした意味はない。

クルーグマン教授が拡張的金融・財政政策を主張する理由が善意、とりわけ人間的優しさによるものであることは間違いない。
ただ、こうした考えをする人たちの多くに、経済はどこまでも人間が自在に操作できると考えている様子が見られる。
ここに危うさがある。
発端が善意だからと言って破綻の芽を生む可能性を見過ごすわけにはいくまい。