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【短信】パレスチナ問題は米見通しを困難に:モハメド・エラリアン

アリアンツ経済顧問モハメド・エラリアン氏が、ハマスとイスラエル間の戦争についてコメントしている。
エジプト生まれのエラリアン氏の表情は虚ろにも見えたが、発言はいつもどおり理に適ったものだった。


「これは米国の見通しをさらに困難にする。」

エラリアン氏がCNBCでハマスとイスラエル間の戦争についてコメントした。

エラリアン氏は、これが2者間の戦争で終わるのか、他の当事者まで及ぶのかが重要だと指摘。
市場は今のところ、多少のエスカレートはあるものの前者と見ているようだと述べた。
一方、エラリアン氏は後者の可能性もあると見ている。

もしも他の当事者に拡大すれば、世界経済はさらに弱く、インフレ圧力はより強くなるとの見通しになる。
そして、市場はこれに対処するのが難しいことを悟るだろう。

エラリアン氏は、仮に他に関与を強める国が出てきた場合、ウクライナ、ロシア、中国を巡る情勢にも影響しうると心配した。
同氏は最近の市場の楽観ぶりを心配する。
次々と内外で不確実性をもたらす事象が起こっても、市場は次々と簡単に忘れていくように見えるからだ。

エラリアン氏は先週、大きな金利上昇、大きな原油価格上昇、大幅なドル高が起こった場合について語っている。

「歴史的にこれら3つのことが起こった場合、何かが壊れる。
金融システムの何かが壊れる傾向がある。」

こんな中でも利上げは終了した、もうすぐ終了するとの見方が優勢だ。
エラリアン氏はFRBが利上げを終了するための2つの条件を挙げている。

  • 供給力に柔軟性のない世界であることを認識すること。
  • 2%物価目標を早期に達成しようとしないこと。

後者については政治的にかなり難しい話だろうから、利上げが続く可能性は残るということだろう。


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