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【短信】ハードランディングしなかったワケ:ローレンス・サマーズ
2023年12月30日

ローレンス・サマーズ元財務長官が、インフレとの戦いが終わったと考えるのは早計と釘を刺している。


「そう、間違いなく供給側に重要な要因が存在している。・・・
それらが収束し、インフレが低減した。」

サマーズ氏が最近の米インフレの低下傾向についてコメントした。

ポール・クルーグマン教授ら「チーム一過性」が予想したとおり、インフレが低下しつつあることをサマーズ氏は認めている。
一方で、このインフレ低下が、「チーム一過性」が主張したのよりはるかに高いFF金利によって達成された点も指摘している。
「チーム一過性」の主張を入れれば、おそらくインフレはここまで低下していなかったと示唆したものだ。

以下、論点別の注目発言:

物価目標

「米国が持続的な意味で2%物価目標を掲げるべき国かどうか、私にはわからない。」

サマーズ氏は依然として多く存在するインフレ要因(賃金上昇、労働争議、雇用逼迫、地政学的リスクにさらされるコモディティ市場、住宅価格上昇)を挙げている。

米経済がハードランディングしなかった理由

中立金利が上昇し、(金融)政策は多くの人が考えているほど引き締め的ではなく、金利の影響が大きくないと主張してきた。
だから、2023年に景気後退がなくてもさほど驚いていない。

市場では、インフレ低下による実質金利上昇を指摘し、利下げを求める声が出ているが、サマーズ氏は中立金利上昇という反対材料を指摘している。

ソフトランディング期待

「インフレが続いている中、よく言うソフトランディングが起こると宣言すべきとは思えず、時期尚早だろう。
まだ、不透明な状況だ。」

市場の前のめり

みんなが期待するほどインフレで進展がなく、FRBに緩和余地がない可能性について、市場が過小評価しているリスクはまだ存在するのだろう。
FRBが緩和に動いたことで、株価は大きく上昇し、金融環境は大きく緩んだ。
こうしたことが続くなら、物価の安定に大きな疑問符が付く。


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