ゴールドマン・サックスのヤン・ハチウス氏が、2日発表の米雇用統計を解説し、FRBの金融政策正常化のスケジュールを予想している。
現時点では(労働力は)明らかに不足しているが、状況が大きく正常化していくにつれ、労働供給は大きく増大していくだろう。
ハチウス氏がCNBCで、今後パンデミックから経済が正常化していくにつれ、供給制約の1つである労働供給も正常化していくと予想した。
同氏は以前から、足元のインフレを一過性と主張してきた。
その見方に変更はないようだ。
2日発表の強弱入り混じった雇用統計を想定内とするのはハチウス氏だけではないだろう。
同じくインフレを一過性としてきたFRBにとっても想定内であるはずだ。
「(FRBの)議論には大きく変化はないだろう。
現状FOMCにはいくらか意見の相違があり、テーパリングをかなり早く始めるというような人もいる。
しかし、(FRB内の)コンセンサスの考え、執行部の考えは、おそらく様子見だろう。」
先月のFOMCでは、テーパリング検討の示唆、利上げ時期予想の前倒しなどがあり、一時的に市場が動揺する局面があった。
その後、市場は再び楽観を取り戻してきた。
2日の雇用統計も(強くなかったことで)安心材料となり、米10年債利回りは前日比4 bp下げて1.44%となった。
これに連れて株式市場は主要3指数が最高値を更新する展開となり、S&P 500終値は前日比+0.75%の4,352.34となった。
FRBのスタンスが不変とみるハチウス氏は、FRBの金融政策正常化を次のように予想する。
だから、私たちの予想は引き続き、
- 12月のFOMCでテーパリングを宣言
- 2022年初めに開始
というものだ。