バウポスト・グループのセス・クラーマン氏が投資を積極化している。
先週、クラーマン氏が、積極的に投資していると投資家に話したとBloombergが伝えた。
消息筋の話では、最近数週間で15億ドル(約1,600億円)を投じたという。
クラーマン氏が投資家に明かしたところによると、バウポストの損失は3月の初め2週間で8%、年初来で10%だという。
同時期のS&P 500の下落はそれぞれ8%、20%だった。
クラーマン氏は近年、投資難を素直に認めていた。
2010年・2013年・2017年には受託資産の一部を投資家に返却している。
2017年に返却を決めた時には、ポートフォリオの42%が現金になっており、投資のあてのない現金の多くを返却した。
今年に入ってクラーマン氏は「市場のロケット燃料は尽きる」と語り、昨年末時点でポートフォリオの31%にあたる現金保有を明かしていた。
今度積み上がた現金は投資家に返すためのものではない。
来るべき買い場に備えたものだ。
バリュー投資家としてウォーレン・バフェット氏と並び称される投資家は、コロナ・ショックのような市場の急落を辛抱強く待ち続けていた。
タイミングはばっちりだ。
この消息筋によれば、バウポストのポートフォリオに占める現金の比率は最近の投資ですでに27%まで低下しているという。
クラーマン氏はチャンスとばかり、投資家に追加出資を勧誘している。
出資の勧誘は2011年以来で、3月末・4月末の追加出資を受け付けるという。