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【短信】クォリティ銘柄をめぐる非効率:ジェレミー・グランサム
2023年9月16日

GMOのジェレミー・グランサム氏が、どうしても米国株に投資しなければならない場合の狙い目を教えている。


「私は米国以外の株式に集中している。
もしも米国株を買わなければいけないとしたら、多くの人が買っているが、私ならクォリティ銘柄に集中したい。」

グランサム氏がLivewire Markets主催のイベントで、米国株市場を避けていると話した。
同氏は以前から米市場の割高を警告してきた。
グランサム氏が次善の策として米クォリティ銘柄を推す理由は、単にディフェンシブな性格のみでなく、市場の非効率にあるという。

AAA格の債券の利回りが1ポイント低くなるように、トップのクォリティ株は利回りが1ポイント低くなるはずだが、そうなっていない。
現実には、100年、50年、10年で見ても、クォリティ株は0.5ポイント高い利回りを上げている。

グランサム氏は、多くの国々の不動産についても注意が必要として、自身は触らないと話している。
不動産の割高感は、住宅価格の高騰によく表れている。

「家族の所得の10倍(の住宅価格)では、平均的な人はどうやって家を買えばいいのか?
格差拡大は今日の資本主義システムの害悪だ。」

過去数十年、労働分配率は減少し、格差は拡大してきた。
一方で、金利の低下が不動産価格の上昇を後押しした。
買える人が減っていく中で、不動産価格がどうなるか。
グランサム氏の考えはそこにある。

グランサム氏は長年、環境問題に取り組み、同分野での投資も行ってきた。
今後有望な分野として環境分野を挙げ、バブルになる可能性もあるとコメントした。
特に蓄電等に用いられるリチウムに投資していると明かした。

「見渡せる範囲では、不足が繰り返されるだろう。
私は塩水や岩からリチウムを抽出するオーストラリアの会社に投資した。
・・・代わりになるとしたら、幅広い金属を保有するのも魅力的だ。」


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