ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが、ドミニオン・エナジーから天然ガスのパイプライン・保蔵設備等を買収した。
5日付プレスリリースによると、買収対価は企業価値にして97億ドル(現金40億ドル+債務引受け57億ドル)。
バークシャーとしては久々の大型買収となる。
バフェット氏は今年の年次株主総会で、過年度に大口投資がなかった理由を魅力的なものがなかったためと話している。
バークシャーのエネルギー部門の責任者は、非保険部門担当のグレッグ・アベル副会長。
リモートで行われた今年の年次総会でもチャーリー・マンガー副会長に変わってバフェット氏の隣に座った。
米メディアの中には、年次総会も今回の大型買収も、アベル氏が後継者レースの先頭を走っていることの現れと見る向きもある。
ドミニオンが今回資産売却に至ったのは、天然ガス事業の縮小を図るため。
環境面での風当たりが強く、行政や地域から厳しい注文をつけられている。
同日、同社はデューク・エナジーと共同での天然ガス・パイプライン建設を中止すると発表している。
ドミニオンが撤退を迫られた原因について、バークシャーならば切り抜けられるという話はまだ聞かれない。
バフェット氏にとってこの買収は大喜びすべきものなのか、他にやれることがないからやるしかないといったレベルの話なのか。
バークシャーのエネルギー事業の今後が注目される。