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【短信】ウォーレン・バフェットのApple株投資から読み取るべきこと:Bloomberg

Bloomberg Opinionのコラムニスト ニア・ケイサー氏が、バークシャー・ハザウェイのウォーレン・バフェット会長とチャーリー・マンガー副会長(故人、当時)によるバリュー+クォリティの投資について解説している。


「1926年まで遡ったあるデータによれば、PBRが最安30%の米国株は・・・最高30%より年あたり約3%ポイント勝っている。
また、最安30%は最高30%より、10年の連続期間(の価格)で見て80%近くの時点で上回ってきた。
つまり、バリュー投資は有効だ、あるいは長期間では有効だった。」

ケイサー氏がBloombergで、バリュー投資の有効性を主張した。

「1963年まで遡った別のデータによれば、(ROEで見て)最も高収益な30%は最も低収益な30%より年4%ポイント近く勝っている。
また、最も高収益な30%は最も低収益な30%より10年の連続期間(の価格)で見て90%近くの時点で上回ってきた。」

ケイサー氏のビデオ・シリーズはこれで最終回だと言うが、今回はかなり怪しい分析をぶつけてきたという印象だ。
こうした勝ち負けの描写は、データの期間、起点、生き残りバイアスで大きく変化するし、足元で趨勢的な環境変化が起こっている可能性もある。
結論を鵜呑みにしてはいけない。
筆者の私見(感覚)を言うなら、PBRによるバリュー投資には反対、クォリティ株への投資は好意的(ただし価格次第)といったところだろうか。

そもそもケイサー氏がこの2つのデータ比較を持ち出したのには理由がある。
本ビデオのテーマが、ウォーレン・バフェット氏によるApple株投資の教訓だったためだ。

前者のデータはPBRによるバリュー投資。
今では最も忌み嫌われている原始的バリュー投資だ。
これをケイサー氏は、ベン・グレアムから受け継いだ初期のバフェトロジーの象徴として用いている。
(弊社ではこれをバリュー投資1.0と呼んでいる。)
ケイサー氏は初期の手法の限界として、安い銘柄にはそれなりの理由があることが多いなどと指摘している。

後者のデータは収益力を見るやり方で、ケイサー氏は高ROE銘柄群をクォリティ―銘柄と呼んでいる。
同氏は、チャーリー・マンガー氏がこの観点をバークシャー・ハザウェイに導入したと紹介している。
すばらしい企業を公正価格で買う」である。
バフェット氏のバリューとマンガー氏のクォリティ―の組み合わせが、バークシャーを成功に導いたとし、Appleへの投資を例として挙げている。
この投資の大成功は、含み益が莫大になったがゆえに一部売却となったほどだ。

ケイサー氏は一方で、バリュー+クォリティ―の手法がそう容易ではないと明かす。
クォリティ―銘柄はバリューでないことが多いためだ。
同氏は、2016年にAppleという稀有なターゲットを見出したバークシャーを称賛する。
一方、一般の投資家に対しては(しばしばバフェット氏も言うように)個別銘柄選択での投資を奨めないという。

「もしもあなたが個別株のリスクを取ることなくバフェット氏の戦略に近いことをやりたいなら、バリュー・ファンドとクォリティ・ファンドを同等に買えばよい。
選択肢はたくさんある。
仮に歴史が役立つならば、ほとんどの期間で幅広い市場に勝てることになる。
でも、バフェット氏ほどの成績にはならない。」

バリューとクォリティのバーベル戦略では、バリューかつクォリティの銘柄には勝てないということだろう。
また、分散ポートフォリオでは、銘柄選択の神様には勝てない。
(バフェット氏が今も神様かは別として、一般論として神様は平均に勝る。)
ケイサー氏によれば、銘柄選別には「莫大な時間と規律が必要」で、それを尽くしても難しいため、一般の投資家には奨めないのだという。

もしもそれをやりたいなら、必ず『すばらしい企業を公正価格で買う』ようにしなさい。


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