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【短信】インフレ放置が生む不測の事態:ローレンス・サマーズ
2021年11月16日

ローレンス・サマーズ元財務長官が、インフレを一過性とするスタンスを変えない政府・中央銀行を批判し、頑なな姿勢が思わぬ結果を生み出しかねないと警告している。


「しばしばジョン・メイナード・ケインズの名言とされるものにこんなのがある:
『事実が変わった時、私は考えを変える。
あなたはどうする?』」

サマーズ氏がワシントン・ポストへの寄稿で書いている。

金融危機以降、趨勢的停滞論を提唱し、積極的な財政・金融政策を主張してきたサマーズ氏だったが、昨年の冬から考えを変えている。
すでに金融政策が限界に近いほど拡張的となり、さらに異例の財政出動が行われた。
インフレを懸念したサマーズ氏は、拡張的政策一辺倒では逆にリスクを高めるとのスタンスに舵を切った。

サマーズ氏は自身が考えを変えたことを述べ、バイデン政権やFRBもインフレに対する考えを変えるよう求めている。
同氏が変わったのは「事実が変わった」からだ。
パウエルFRB議長が8月のジャクソンホールでインフレを一過性とする根拠として挙げた5つの主張がいずれも疑わしくなっているという。
5つの主張とは:

  • 一部のセクターに限られたインフレである
  • カギとなるセクターのインフレはじきに収まる
  • 脅威となるような賃金上昇は見られない
  • インフレ期待が安定している
  • 世界的にデフレ傾向である

パウエル議長は嘘はつかないのだろうから、確かに「事実が変わった」のだろう。

サマーズ氏は、政策について4つの提案をしている。
ここでは割愛するが、仮にバイデン政権やFRBが変わらない場合、思わぬ結果につながりかねないと警告している。

過度なインフレとそれが制御されていないという感覚が、リチャード・ニクソンやロナルド・レーガンの大統領選勝利を後押しした。
これらはドナルド・トランプを復権させるリスクを孕んでいる。


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