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ハワード・マークス 【短信】それでも外せない:ハワード・マークス

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、米財政悪化を嘆き、逃げ場のない窮地を指摘している。


米国が、請求書が全く送られてこない、信用上限のないクレジットカードを持っているような状況にあるのが残念だ。
誰もそれがいいことだとは思わないだろう。
債務や財政赤字が、通常、対GDP比率で見て過大となる点が存在するはずだ。
それが存在しないと言う人はいないし、それがどこなのか教えてくれる人もいない。

マークス氏がBloombergで、財政規律を失った米政治に危機感をあらわにした。

マークス氏は、財政問題の深刻さを分析する。
特徴的なのは、様々な面で予見が難しい点だ。

「現在、ワシントンで財政規律を実行する者はいない。
昨年は繁栄の時代が実現したとされたのに、数兆ドルもの財政赤字だった。
すべてがとても残念なことだが、
a) 誰もいつ問題化するかわからない。
b) 誰もどう対処すればよいかわからない。」

もちろん、これは日本人にとっても対岸の火事ではない。
日本の場合も、過去に政権は何度か経済の改善(≒「デフレ脱却」)を宣言したが、その後も本格的な財政再建はなされていない。
財政赤字を温存するために物価が上昇していても「デフレ」が続いていると主張したりする悪習さえある。
日本は「対GDP比率」だけを見れば、米国よりはるかに悲惨だ。
しかし、日本人の置かれた立場はアメリカ人より皮肉にも対処しやすいのかもしれない。

みんなポートフォリオから米国を排除することはできない。
過去数年それをやったと伝えられた人は、今かなりひどい状況だ。

日本人、少なくとも民間人はこの問題にすでに対処を始めている。
日本への投資のほとんどを排除することは可能だ。
リスク資産の名目価格が上がっても、円の価値の下落が同時進行しているため、日本への投資の魅力はそう高くならない。
両方が上昇した米国とは明らかに異なる。

昨今の予想外の円安にはさまざま理由があろうが、その1つに自国への投資を減らすべきとの考えがあるのは否定できないだろう。


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