ジェレミー・シーゲル教授が、デビッド・テッパー氏の中国に注目した強気発言に賛同し、日本株について強気の見方を示している。
デビッド・テッパーの発言を聞いたが、とても筋が通っている。
シーゲル教授がCNBCで、世界の市場ごとの見通しについて語っている。
教授は、中国の刺激策が中国市場と波及効果を受ける市場を有望にするとの意見に賛意を示している。
シーゲル教授は1点だけ異見を述べた。
それが日本市場への見方だ。
テッパー氏は、日本を有望としながらも危うさも語っていた。
一方、シーゲル教授は従前から日本推しだ。
「しばらくは日本株に乗れる。
テッパーは長期で円高となれば輸出に悪影響があり、利上げも進み、その間円高の二重苦になると心配した。
昨日を見れば、円が2%上げ、日経平均が2%上げ(ドル建てで)4%の上昇だ。」
たった1日の動きでどうこう言えるものではないが、あえてそう言っているのには理由があるのだろう。
1つは、シーゲル教授が、景気後退がしばらくないと考えていること。
もう1つは為替と日本株の関係だ。
ドルベースの投資家は、日本株の価値を円建て名目株価でなくドル換算の価値で見ている。
(円が絶対的な尺度でないのと同様、ドルもまた絶対的尺度ではないだろうが、少なくともこの数年の日本円の1人負け・1人勝ちを見る限り、円の尺度としての有用性はより薄いだろう。)
外国人が、円高≒円建て名目株価下落という直感を見直し始めているのかもしれない。
急激な円安が経済・市場に(全体で見て)悪影響を及ぼしていたとの考えが浸透し始めているのかもしれない。
以下、市場ごとのコメント:
- 中国: 政策はとてもプラス。(現在は12-13倍まで戻したが)PER 10倍の市場は失敗が少ない。
- 欧州: PER 14-15倍は長期でとても有利。
- 米国: 株価は高いが、高い成長率であり、弱気ではない。
シーゲル教授は米市場に話が及ぶと、得意の金融政策について予想した。
- 望ましいFF金利は3.5%。
- FOMCごとに25 bpずつ利下げすれば、来年半ばに3.5%。
- ドットプロットの2.9%は景気後退がない限りない。
- データが示すFF金利は4.0%。
- 毎回25 bpより緩やかな利下げになるかも。
今月のFOMCで自身の予想を超える50 bpの利下げが実施されて以降、シーゲル教授の強気に曇りが見られなくなった。
FF金利は今後数か月少し高すぎる状況が続くが、そこまで下げるなら、そして市場はそうなると思っており、今年の残りもそんなに悪くないだろう。
私は少しも驚かなかったが、長期債(利回り)が上昇したのは、FRBの方向転換あるいは再調整によって景気後退リスクが低下したことが一因だ。