アリアンツ経済顧問モハメド・エラリアン氏が、2024年の米経済には逆風が吹くと予想した。
「(経済の)数字は2つの点を照らし出している。
1つは米国が特別な存在であり続けていること。
・・・米国は世界の成長エンジンだった。」
エラリアン氏がCNBCで、経済の数字から読み解ける2つの重要ポイントを説明した。
もう1つ照らし出したのはFRBの試練だ。
これ(これまでの強い経済)を、2024年が順風満帆となる兆しとは受け取らないことだ。
エラリアン氏は(個人)貯蓄や金利上昇が米経済への逆風になると心配した。
債券市場では金利のアンカーが失われているほか、国債増発と量的引き締めによる供給増により、買い手は慎重にならざるをえないという。
世界の安全資産だったはずの米国債も、ハマスとイスラエルの戦争勃発以降10年債利回りは上昇している。
エラリアン氏は、この状況について直観に反する2つの仮説を立てている。
- 質や安全への逃避が実は起こっていない。
- 金利上昇リスクで国債への自信を失った人たちがビットコインや株を安全資産と見なしている。
エラリアン氏は、いずれも結論付けることはなかったが、今後中東情勢等が悪化した時も、米国債利回りが下がるとは限らないと暗示している。
一方、経済鈍化と市場での事故により恐怖が起これば(FRBが利下げに転じるなどして)金利は低下すると話した。
もっとも、これは金利低下を願う人にとってよいシナリオではないだろう。