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【書評】日本国債が暴落する日は来るのか?
2016年12月24日

問題の本質

この算数は少々危険だろう。
前ページの(A)という仮説には日銀による国債保有という要因が加味されていない。
異次元緩和開始以来、日銀以外の主体による国債保有額は実は減少している。


日銀に国債を買わせたくてしかたがない人たちは、こうした点を突いて、財政は10年どころか永遠に大丈夫と主張するかもしれない。
年40兆円発行しても、日銀がそれ以上買っているのだから大丈夫という理屈であり、この一部分を見ればもっともな理屈だ。
やはり問題はもっと単純で、借金が多すぎるのではないかということにつきる。
臨界点がどこにあるかは予想できないが、やはり莫大な債務は大きな問題であり、金融安定を揺るがしうる大きな問題だ。
定量的には言えなくとも、そう考えることは間違いではありえない。

日本財政の4つのシナリオ

榊原教授の処方箋は、日本が通常の手法で財政を正常化するシナリオ(ハッピー・エンド)である。
しかし、FP(浜町SCI)ではあと3つのシナリオを想定している。

国債が暴落する

これは、ほぼありえないリスク・シナリオだ。
国債が暴落するなら、日銀はどこまでも買い続ければいいからだ。
あるいは、外貨準備があるうちに国際機関等の協力を仰いでエクアドル型の解決を図るかもしれない。

上げ潮派の解決法が功を奏する
もう一つのハッピー・シナリオだ。
可能性がゼロとは言わないが、過去の歴史を見る限り成功確率は低い。
この戦略の難点は、これを選択して失敗した場合に財政が悪化しているため傷が深くなる点だ。

国債は暴落しないが通貨・円が下落を続ける
国債は日銀が買い支えれば下落を免れるが、それは円建てでの価格が落ちないというに過ぎない。
国債の価値が下がるような財政運営を続ければ、国債の価値は下がらざるを得ず、国債価格の代理として通貨・円の価値が下がる。
これは、止まらないインフレと底の見えない円安を意味するのだろう。


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