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【書評】アニマル・スピリット

ここで一つ注意しなければいけないのは、アニマル・スピリットという用語の含意である。
日本人が《animal》や《動物》といった言葉を使う時、ある時は下等な、ある時は荒々しいイメージを受けるかもしれない。
確かに、この言葉には《積極的》といった含意はあると思われるが、それ以上の意味はないと考えた方がいい。
積極的であることは善であろうから、ケインズはいい意味でこの言葉を使ったのだろう。


一方、本書の著者たちは、この言葉をより中立的なニュアンスで使っている。
それは経済学のジグゾーで欠けた大きなピースなのだ。

「マクロ経済学やファイナンスの専門家のあまりにも多くが、『合理的期待』や『効率市場』の方向性を推し進めすぎて、経済危機の根底にある最も重要な力学を考えなくなっている。」

著者らによれば、市場変動をもたらす主因もまたアニマル・スピリットだ。
決して「人々が合理的に自分の経済利益を追求」したというような話では説明できない。
合理的期待や効率市場を前提とすれば、バブルは発生しえないはずだ。

ダボス会議出席中のシラー教授を捕まえて、Bloombergが酷な質問をしている。

解答を拒もうとする教授をねじ伏せ、「バブルはあるのか?」と詰め寄っている。
シラー教授の答はこうだ。

「米国では、・・・ ある。」

これまで教授は、米国株市場に厳しい見方をすることはあっても、バブルと呼ぶのは頑なに避けていた。


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