ユーロ・パシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏が、トランプ大統領をオオカミ少年(正しくは嘘つき少年)と揶揄している。
「交渉する時には、合意が近いなどと認めたくはないだろう。
合意は遠いと言いたいはずだ。
そうすればもう少し相手から譲歩を引き出し有利な合意にできるかもしれない。」
交渉の進捗について相反する発言・報道が続く米中摩擦について尋ねられ、シフ氏がロシア国営RTで解説した。
なんとか関税を撤回させたいはずの中国が強硬なスタンスを崩さない。
シフ氏によれば、中国側は純粋に交渉を有利に進めるための姿勢を貫いているのだという。
それは米国から少しでも譲歩を引き出したいための交渉戦術なのだ。
一方、米国の側は少し異なる。
他の高官はともかく、トランプ大統領については別の思惑で動いているとシフ氏はいう。
大統領選挙をにらみ、自分に有利になるよう米国株市場を押し上げることが目的なのだ。
そのために、1つの進捗から何度も収穫を試みているのだという。
毎回大統領が出てきて
『合意に至った、合意した、これはすごい』
という度に、ダウ平均が100-200ポイント上昇することを大統領は知っている。・・・
だから、大統領が『オオカミだ』と叫ぶ度に市場が上昇を続ける限り、大統領は『オオカミだ』と叫び続けるのだろう。
ちなみにシフ氏もまたオオカミ少年と揶揄されるタイプのコメンテーターだ。
常に《危機が迫っている》と言い続け、10年ぐらいに一度当てて見せる信念の人である。