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【休憩】「びっくり10大予想」の裏側:バイロン・ウィーン
2020年2月20日

ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏が、多くの市場関係者が毎年楽しみにする「びっくり10大予想」の内幕を語っている。


「私はこれを35年間やってきて(予想が)簡単だった年の記憶はない。
10月に着手し3か月も費やす。・・・
結婚生活も壊れる寸前だったんだ。」

ウィーン氏がThinkAdvisorで、モルガン・スタンレー時代から数えて35年になる「びっくり10大予想」について語った。
そういえば以前、ウィーン氏の同僚ジョー・ザイドル氏が「びっくり10大予想」の負担の大きさを暴露していた。
完全主義者ウィーン氏と3か月かけてコンパクトな文書を仕上げていく作業はさぞかしきついのだろう。

ウィーン氏はこのインタビューで「びっくり10大予想」リリース後のアクションについても明かしている。

「毎年、私は自分のお金から1百万ドル『びっくり10大予想』に投資している。
私が言ったことに自分のお金を置いておきたいからだ。
モルガン・スタンレーが私のために『びっくり10大予想』ポートフォリオを作ってくれる。
個別株を買うのは許されていないので、ETFへの投資でやらないといけないのだけど。」

自分の予想が読者の投資行動に影響を与えることを認識し、それに対する責任として自身も同様のポジションをとっているのだろう。
読者に対する忠実義務とでも言おうか。
それにしても1百万ドル(約1.1億円)とは、たいへんな責任感だ。

ウィーン氏は、2019年のポートフォリオ・リターンが28%だったと明かしている。
毎年プラスにはなるが、昨年は最高レベルだという。

ここで読者は気づいたはずだ。
昨年、ウィーン氏の予想は他の予想者は凌駕して良く的中した。
それにしては28%は低すぎないか。
昨年のS&P 500の上昇率は28.8%だった。
これは

  • 上げ相場では分散ポートフォリオは圧倒的に不利
  • 売買対象・方法の制約

などによるものと見られる。
分散ポートフォリオで主要指数と並んだのだから、極めて良好な成績と言うべきなのだろう。
そして確実なのは、ウィーン氏は昨年このポートフォリオだけで280千ドル(約31百万円)儲けたということだ。

話を冒頭のウィーン氏の結婚生活に戻そう。
ウィーン氏は、ブラックストーンに転社する際の夫人との会話を回想した。
夫人は転社後は「びっくり10大予想」を続けないようウィーン氏に求めたのだという。

「妻が言ったのは
『クリスマスを取り戻したいのよ。
年末の2週間みんな友達はパーム・ビーチ、カリブ海、バリ、アスペンに行っているのに、あなたがそのガッデム『びっくり10大予想』に取り組んでいるために、うちはニューヨークに居続けなければいけない。』」

みんなが楽しみにしている「びっくり10大予想」も、ウィーン氏の奥さんからすれば「ガッデム」なのだ。
ウィーン氏は夫人に謝り、この仕事が「きちんとやるべき」仕事であることを説明したのだという。
夫人の反応が気の毒だ。

「『わかってる。
だからもう続けてほしくないの。』」

ウィーン夫妻は今のところ離婚していないという。


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