【グラフ】FF金利と米イールド・カーブ

米株式市場の楽観がとまらない。
その陰で、債券投資家のイールド・カーブ平坦化への心配が高まっている。(浜町SCI)


米2年債と10年債の利回り差を見る限り、イールド・カーブ平坦化はまだまだ先の話のように思える。

米10年-2年スプレッド
米10年-2年スプレッド

それでも心配する声が絶えないのは、イールド・カーブが平坦になり逆ざやとなると、極めて高い確率で景気後退期(グラフの灰色部分)に入るためだ。
しかし、ここで一つ疑問が生じる。
イールド・カーブの傾斜は、FRBの政策金利(通常は短期のFF金利)によって強く影響を受けるのではないか。
人工的なカーブの傾斜について果たして心配する必要があるのだろうか。
そこで、FF金利と市場金利の間の関係をおさらいしておこう。

実効FF金利(青)と米2年債利回り(赤)
実効FF金利と米2年債利回り


FF金利と2年金利の変化のタイミングを見ると、先に2年金利が動き始めていることがわかる。
ベン・バーナンキ前FRB議長は、FRBが金利を動かすのではなく、FRBは経済・市場に寄り添うように政策金利を変化させていると表現した。
FF金利は、実は市場に促されて変化しているという考え方だ。
確かにこの四半世紀を見る限り、2年金利が催促しない限りFF金利は上げ下げされていない。
では、長期金利はどうか。

実効FF金利(青)と米10年債利回り(赤)
実効FF金利(青)と米10年債利回り(赤)

ここで観察すべきは、FF金利と長期金利の間の連動性が極めて小さいということだろう。
アラン・グリーンスパン元FRB議長が「conundrum」(謎)と呼んだ通りである。
動きのタイミングについて言えば、2年金利ほど顕著ではないが、やはり10年金利の方がFF金利より変化を先取りしているように見える。

実効FF金利(青)と米10年債利回り(赤)(長期)
実効FF金利(青)と米10年債利回り(赤)(長期)

FF金利と長期金利の連動性が薄れたのは今世紀に入ってからだ。
前世紀まで遡ると、FF金利と長期金利とははっきりと連動していることがわかる。

(次ページ: イールド・カーブ平坦化はリスクか)


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