【グラフ】新興国市場株式は買いか売りか

米国株市場が息を吹き返し再び最高値を目指し始める度に、多くの人が警戒感を抱き、地域的な分散投資を奨めるようになる。
欧州経済の不振が伝えられる今、新興国市場の株式に受け皿としての期待が寄せられるのは自然な流れだろう。


もちろん、米国株市場が大きく下げれば、新興国市場にもそれが波及するのは想像に難くない。
また、中国経済に危うさがあるのも新興国市場にとっては大きな逆風だ。
その一方で、新興国市場にもいくつも魅力的な面がある。

  • バリュエーションが相対的に低い
  • ドル高が一服
  • 貿易摩擦の懸念は全体としては後退しつつある

こうした点が見直され、新興国市場株式は昨年のクリスマスあたりから上昇に転じている。

iShares MSCI Emerging Index(EEM、青)とS&P 500指数(紫)
iShares MSCI Emerging Index(EEM、青)とS&P 500指数(紫)

上昇に転じたとは言え、昨年1月の高値と比べれば遠く及ばない。
米国株(紫)には依然としてテクニカル上の高値感がつきまとい、新興国市場株式の人気が続いている。
しかし、人気が続けば続いたで、そろそろ峠ではとの勘繰りも増えるものだ。

新興国株に対する投資家のセンチメントが、今年に入り改善したことを受けて、株価が急伸している。
しかし、多くの銀行で不良債権が増加していることへの懸念が、一部で投資家の熱狂に水を差している。

Reutersが、新興国市場株式に過熱リスクがあると伝えている。
記事ではBRICS 5か国の銀行貸出の変化を紹介。
対GDP比率を見ると、2007年の98%から2017年には128%に増えていると指摘した。
この5か国で、リーマン危機前より銀行貸出が増えているのだ。
新興国もまた経済成長のために債務拡大に依存してきたことを示すものだろう。

そして、現在の市場の最大の関心事は景気の先行きだ。
景気の循環変動が下向くのではないかと皆が恐れている。

「このような動き(貸出拡大)は、クレジットサイクルの変化に脆弱なため、一部ですでに慎重姿勢に転じたファンドマネージャーもいる。」

投資難の中、投資家はラスト・リゾートを探し続けている。
新興国市場はその候補の1つだが、それでも順風満帆という状況からは程遠いようだ。


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