米ドル

【グラフ】ドル円を巡る綱引き

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ドル円相場が方向感を見失っている。
トランプ大統領は日本に優しそうだが、それでいていつ何を言いだすかわからないからだ。(浜町SCI)


円安派 vs 円高派

経済・市場の自然な流れから言えば、ドル高が動かないように見える。
景況感も物価上昇率も日本より米国の方が上向いているとの認識は正しいし、そうならば、日米金利差は広がる。
日米での中央銀行のスタンスの差もそれを後押しする。
日米金利差がさらに開くなら、ドル高を予想するのが自然な考え方だ。

一方で、トランプ大統領がやろうとしていることの多くは、経済的にも経済学的にも不自然な政策だ。
米大統領が無理筋をしてくると、ドル円相場が金利差と異なる動きを始めることがあるのは過去の例からも明らか。
それに、不自然さを気にするならば、日米の金融政策こそ不自然極まりないとも言える。
つまり、為替相場は《自然》の法則で動くとはいいにくい。

連動性は期間による

もう一度、金利差とドル円の連動性を見直しておこう。

日米長期金利差とドル円

確かに最近を見ると、日米長期金利差とドル円は連動しているように見える。
しかし、貿易摩擦に苦しめられた1990年代前半を見ると、動きは真逆だ。
そこで、比較的連動性が高いと思われる2002年以降で

  • 日米長期金利差の月間変動(%ポイント)
  • ドル円レートの変化率(%)

の一次近似式を求めてみよう。

相関係数は低いが濃淡がある

まず、期間を切って相関係数を求めてみる:

全期間(1990年以降) 0.22
1990-2001年 0.11
2002年以降 0.35
いずれも使い物にならないほどの低い相関だ。
いろいろ(変数を増やす、ラグを設けるなど)やればもう少しいい数字になるのだが、ここではそれが目的ではないのでやめておく。
ここで理解したいのは

  • 両者の相関係数は期間によって変化し、比較的高まる期間とほぼ消滅する期間がある。
  • 2002年以降は、比較的相関が高まった時期と言える。

そこで、2002年以降のデータから、両者の一次近似式を求めてみる。

(次ページ: 優しいトランプのシナリオ)