海外経済 投資

「必要」に駆り立てられる日本人:ジェフリー・ガンドラック
2020年1月24日

ジェフリー・ガンドラック氏のダブルライン・キャピタル開催座談会第3弾:日本の機関投資家の行動がシステミック・リスクの引き金を引きうると警告している。


次の景気後退では、仮に(長期債を)FRBにではなく投資家に売るのであれば、長期金利は上昇するだろう。
2018年に見たように、大きな問題を引き起こした10年金利は3.25%だ。
インフレが2%ほどである中、これは高い水準ではない。

ガンドラック氏が座談会で、米長期金利に加わる上昇圧力について言及した。
勢いこそ穏やかだがインフレはすでに名目金利と同レベル、双子の赤字は解消する様子もない。
経済のファンダメンタルズから見れば、長期金利は景気後退であっても上がるはずとの指摘だ。
一方で、そうなれば市場は大きく混乱する。
だから、FRBが人為的に長期金利を低く留め置くことになるだろうと、ガンドラック氏は読んでいる。

ガンドラック氏は、市場のモメンタムを逆転させうる出来事を2つ挙げている。
金利上昇と景気後退だ。
この2つが同時に起こりうるとも述べている。
仮にそうなれば、なおさらFRBは金利を抑えようとするだろう。
現在のような金融相場が続くなら、金利上昇は債券価格下落のみでなく、株価下落も引き起こす。

ガンドラック氏は、金利上昇による債券価格下落の可能性に関連し、日本の機関投資家の行動に心配を呈する。

「フローのデータ、特に日本からのフローを見ると、日本の投資家は死に物狂いで・・・投資において最も危険な行動に駆り立てられているのがわかる。
『貪欲』とはとても強いもので、『恐怖』とはもっと強いものだ。
これらよりもっと強いのが『必要』だ。
『必要』に迫られて行動する場合、選択肢はなくなってしまう。」

ガンドラック氏は、日本やユーロ圏からの為替ヘッジなしでの米債投資が増えていることを心配する。
買われる時には債券価格上昇・ドル高に働くが、それだけに逆が怖いためだ。

彼らがやってきたのはヘッジなし社債投資やヘッジなし米国債投資だ。
これこそ、背景にある2つのファンダメンタルズがドル安を暗示しているにもかかわらず、ドルが上昇してきた一因だ。
・・・
ドル安を示唆する2つのこととはFRBの金融緩和・・・双子の赤字の対GDP比率悪化であり、これら2つはドル安と極めて高い相関にある。

ガンドラック氏は、日本人によるヘッジなし米債投資に心配を抱いているが、実は現在のドル円のヘッジ・コスト自体は過去と比べると高いとは言えない。
ただし、米国債に投資できるほど低くもないから、日本の投資家はある程度のリスクを取らざるを得ない。
米社債のスプレッドがタイトであるのは間違いないから、危ない橋を渡っているとの指摘はその通りなのかもしれない。

ガンドラック氏は、長期投資においてはドル安の可能性を勘案すべきと説いている。
それほど大きな金利上昇でなくても、米社債へのキャリー・トレードの巻き戻しが起こりうるからだ。

もしも(長期金利が)40 bp上昇し220 bpになったら、日本人の米社債購入の巻き戻しが起こりうる。
彼らは突然、為替でも利回りでも負け始める。
これはシステミック・リスクであり、資産配分において念頭に置くべきことだ。


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