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「サイクル中期の遷移」はこれから:モルガン・スタンレー
2021年7月28日

モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は「サイクル中期の遷移」(mid-cycle transition)での経験則をもとに、デルタ種やテーパータントラム後に米市場が全面高になる可能性があると話している。


このナラティブは3月に金利が急騰した時に始まった。
割高な銘柄が落ち、低クォリティ・小型株が一貫してアンダーパフォームし、市場の幅がかなり狭くなった。
これらはすべて、私たちが『サイクル中期の遷移』と呼ぶものの典型だ。

ウィルソン氏がCNBCで、「サイクル中期の遷移」と呼ぶ経験則で、現在の米市場を占おうとしている。

投資家の興味は、今が中期だとして、今後終期に向けてどうなるのかだろう。

回復加速期からピークに向かうと・・・サイクルの終わりや景気後退ではないが、市場の牽引役は狭まり、クォリティ銘柄にローテーションが向かう。
最終的には市場のディフェンシブな部分に向かうのが次の段階だ。
そして、指数レベルで調整が起こる。

ただし、ウィルソン氏は、現在がまだ強気相場であり、終期は差し迫っていないと考えているようだ。
少なくとの秋までは「サイクル中期の遷移」が継続すると予想しているという。
しかも、現在の市場における不安材料が終わった後に「新たな加速」が起こると予想されるという。
では、そのタイミングは何か。
ウィルソン氏によると、「サイクル中期の遷移」には、金融政策のスタンス変更がつきものなのだという。

1994年、2004年、2011年の類似した年を振り返ると、いずれもFRBが最大のハト派的スタンスから別のスタンスに遷移している。
今も同様のことをしようとしている。

挙がった3つの年に何が起こったのか。

1994年 利上げ開始

米株価(赤、左(指数))とFF金利(青、右)
米株価(赤、左(指数))とFF金利(青、右)

利上げが行われ、市場には調整も見られるが、じきに上昇に向かった。

2004年 利上げ開始

米株価(赤、左(指数))とFF金利(青、右)
米株価(赤、左(指数))とFF金利(青、右)

利上げが行われ、市場には調整も見られるが、上昇基調が続いた。

2011年 QE2終了

米株価(赤、左(指数))と実効FF金利(緑、右)
米株価(赤、左(指数))と実効FF金利(緑、右)

QE2が終了し、市場は大きく調整したが、その後上昇基調へ回復した。
これらに共通するのは、金融緩和の後退開始が米市場の弱気相場入りを意味しないという点だろう。

ウィルソン氏は、金融政策正常化開始に関する動揺を市場が消化した上で、もう一度強い相場が戻ってくると予想する。

来月あるいはおそらく秋に行われるFRBのコミュニケーションに順応した後には、再び加速する可能性がある。
一たびそうなれば、市場は再び幅を広げ、リフレ・トレードとグロース株を合わせて全面高になりうる。
これまでのようなグロースまたはバリューという話でなく、幅の狭かった市場から、全面的な(上げ)相場になるかもしれない。


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