BOE・ハーバード:「債券大虐殺」より悪い結果に終わる

ハーバード大学研究者でBOE客員研究員Paul Schmelzing氏が、歴史上の債券市場の強気相場とその調整過程を紐解いている。
昨年までの強気相場は市場最大のものであったとし、その調整は1994年の「債券大虐殺」より過酷なものになると予想した。

シュメルジング氏は米ハーバード大学歴史学部から英BOEに派遣されている研究員。
BOEスタッフのブログ・サイトで8世紀にわたる債券市場の反転の研究を披露している。
シュメルジング氏は2016年の債券の強気相場を市場最大のものの一つと評している。

「8世紀にわたるデータを見直して、2016年の強気市場は本当に記録上最大のものの一つだったことを見出した。
この反転はインフレのファンダメンタルズによって起こり、投資家を1994年の『債券大虐殺』より悪い状況に陥らせると歴史は示唆している。」

シュメルジング氏は長い歴史から、債券急落(金利急騰)の3つのタイプを抽出し、実例を挙げている。

タイプ1: インフレによる反転(1967-71年)
消費者物価指数の急上昇により起こる。
例えば、1965-70年、CPIは1.6%から5.9%に上昇し、米債券価格は実質ベースで36%下落した。

米10年債利回り(青)と米CPI(赤)
米10年債利回りと米CPI

タイプ2: 急反落(1994年)
マクロ経済のファンダメンタルズというより、金融セクターのレバレッジや外因性要因により起こる短期的な金利上昇。
1994年の債券大虐殺では、米公定歩合が30年来の低位にあったにもかかわらず、債券利回りが急上昇し、すぐに元に戻った。
FF金利引上げによるものとの推測もあったが否定され、新興国不安に端を発した各種ファンドの急激な巻き戻しによるものと解されているという。

米10年債利回り(青)、米CPI(赤)、実効FF金利(緑)
1994年の債券大虐殺

シュメルジング氏は、
「現在の諸要因を考えると、今売りが始まった場合、ボラティリティが短く跳ねるだけですぐに1981年からのような趨勢的な軌跡に回帰するとは考えにくい。」
と書いている。

タイプ3: VaRショック(2003年の日本)
長期金利低下(イールド・カーブ平坦化)の反動として起こる長期債の急落。
シュメルジング氏は、日銀の長期金利ターゲットによるイールド・カーブのスティープ化が(原因こそ違うが)2003年のイールド・カーブのスティープ化と似た面(銀行株の動き等)があると示唆している。

シュメルジング氏は3つのタイプを説明した後、現在の債券市場がタイプ1とタイプ3の組み合わせであると結論している。

「歴史的な標準から言って、これは

を示唆している。」