門間一夫氏:量・金利の追加緩和はない

日本銀行券

日銀で調査局長などを歴任した門間一夫氏が、日銀が今月予定している「総括的な検証」についてコメントした。
今月の量・金利の追加緩和は論理的にありえず、2%のインフレ目標を日銀のみで達成するのは不可能と語った。

量・金利の追加緩和はない

「総括的な検証」の結果がどうなるかについては、Bloombergに語ったところが単刀直入で分かりやすい。
門間氏は、一部で期待されている追加緩和の可能性を否定する。
仮に総括的な検証がなかったとしても、追加緩和はなかったはずという。

「7月時点と比べて今の状況が悪くなっているとは思えない。
その時やらなかった量の拡大やマイナス金利の深掘りを、今会合でやるというファンダメンタルズ上の理由はない。」

さらに、総括的な検証を行う趣旨を考えれば、追加緩和はさらに遠のくはずという。

「より慎重にコストとベネフィットを比較するはずで、なおさら7月よりも9月の方が、量も金利もやることのハードルは上がっている。
これまでの日銀の言動や今の経済情勢を論理的につなげると、9月の量や金利の緩和はない。」

と予想した。
門間氏は、逆に緩和ペースの減速が選択されるとの考えのようだ。
国債買入れを長く続けるためにテーパリングを行い、同時にそれが緩和縮小ではない(日銀のバランスシートは拡大し続ける)ことを市場に理解させることが重要と述べている。

期待に働きかける政策の限界

門間氏は、金融政策の難しさを語る。
期待に働きかける政策にブレークスルーはないと滲ませている。

「これだけ強力なコミットメントを打ち出し、これだけ強力な金融緩和をしても、人々の期待はバックワード・ルッキングから変わっていない。
日銀がこれ以上何をすれば、人々の期待が変わるのか。
これまでの日銀の分析を踏まえると、解はないというのが答えだと思う。」

門間氏は金融政策だけでの問題解決は困難との見方だ。
極めて現実的で、かつ暗澹たる述懐だ。

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