藤巻健史氏:外債購入なら一気に円安へ

藤巻健史

かつてJP Morganで伝説のディーラーと呼ばれた藤巻健史参院議員が、持論の一つである日銀による外債購入を勧めている。
外債購入自体がありえない話ではないが、議員の議論にはいくつか筋違いな点がある。

藤巻議員は週刊朝日のコラムで、9月の日銀の「総括的な検証」に基づく新たな金融政策のフレームワークについて、「最近では、戦力なのかわからないものまでも投入する」と批判した。
議員は、12月の金融政策決定会合で
 ・マイナス金利の深掘り
 ・日本国債購入額の減額
 ・米国債の購入開始
が決定されると予想している。

前2つは、一定の金融緩和を維持しながらイールド・カーブをスティープ化させる意図であり理解しやすい話だが、問題は3つ目。
日銀による外債購入が適切かどうかには、国内外で議論があろう。
藤巻議員は、12月にFRBが利上げ、日銀がマイナス金利深掘りに踏み切れば「一気にドル高・円安が進んで日本の景気回復に役立つ」と主張している。

外国債購入が強力な円安誘導策であることは間違いない。
まさに非不胎化為替介入であるからだ。
しかし、黒田総裁はこれまで日銀による外債買入れの可能性を否定し続けてきた。
一方、為替操作を目的とした外債買入れは日銀法に触れるが、金融政策を目的とすれば法に触れないというのが藤巻氏の意見だ。
「堂々と強弁すればいい」のだという。

藤巻氏はビジネス界においては卓越した人物であった。
しかし、やはり公職にあるべき人ではないのだろう。

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