河野龍太郎氏:量的緩和は抜かずの宝刀に

河野龍太郎

BNPパリバの河野龍太郎氏が日銀の「総括的な検証」をレビューしている。
日銀の金融政策はマイナス金利を軸とする政策に転換するが、追加緩和は当面予想されないという。

河野氏はReutersへの寄稿で、日銀の検証を「おおむね予想した通りの変更だった」と振り返る。
河野氏は早いうちから日銀の検証内容を予想し始め、今月にはほぼ結果どおりの筋を予想していた。
ここでは、検証内容から導かれる市場へのインプリケーションを読んでおこう。

正式なフレキシブル・インフレーション・ターゲットへの移行

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。「(目標達成時期が柔軟化されたため)達成タイミングが先送りされても、直ちにそれだけで、追加緩和が実施されるということはないと見られる。
・・・
次回会合(10月31日―11月1日開催)の追加緩和も予想されない。」

これまではあまりにもゴールまでの期間が短くなっていたため、市場は日銀にめいっぱいの緩和期待を寄せる展開となっていた。
結果、日銀が何をしようがしまいが市場が荒れるようなありさまだった。
これからは、市場の期待は穏やかなものとなり、市場が荒れる展開は少なくなるのではないか。

円高防止のための追加緩和

「ETFの購入倍増で株価が下支えされ、為替レートと株価の連動性が低下しているため、今後、1ドル100円を割り込んでも、マイナス金利の深掘りは予想されない。

仮に95円を割り込んでも、90円を割り込むような恐れがないのなら、すぐには日銀は動かないだろう。」

追加緩和は実施されにくくなったとの指摘だ。
逆に、マイナス金利深掘りの引き金となりうる事例を3つ、河野氏は挙げている。

1)米国経済の悪化で米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和に踏み切り大幅な円高が進む
2)中国人民元が大幅に切り下げられ大幅な円高が進む
3)それらの影響で日本経済が後退局面に入る

元々、為替誘導のための金融緩和などやってはいけないことだが、今後はますます考えにくくなるようだ。

「量」の役割

「今後、マイナス金利政策が主軸になるが、・・・(『量』は)現実には『抜かずの宝刀』になると見られる。」

やはり、「総括的な検証」の本音は「量」から「金利」への主役交代であるようだ。