河野龍太郎氏:日銀「総括的な検証」の行方

河野龍太郎

BNPパリバの河野龍太郎氏が、9月に予定されている日銀の「総括的な検証」の行方について予想している。
ここでは、20問のQ&Aの前編について目を通してみたい。

どのQ&Aも現実的かつ完成度の高いものであるので、個々に細かく取り上げることはしない。
全体として何が感じられるかを述べたい。
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まず、河野氏のスタンスから。
今さら紹介するまでもなく、河野氏は(財政政策面の)タカ派論客の代表格だ。
氏の論調は、夢を追わない、ふかさない、ウソをつかない、である。
よく言えば信頼感バツグン、悪く言えば明るい明日を見せてくれないといったところだろう。
もう少し可能性の空間を広くとってもいいようにと思うことはあるが、氏の主張が確率分布の厚いところを指し示しているのは間違いない。

もう日銀には期待できない

次に、河野氏の意見からうかがわれる日銀のこれから。
2つの意味で、もはや日銀に期待できることはないと感じられる。

  • 日銀にできることはほとんどなくなったし、効果も逓減した
    国債買入れなど重要施策には実行可能性の限界が見えている。
    継続可能な施策もあるが、副作用も大きくなったことで継続が難しくなっている。
  • 日銀は大きな政策変更ができない
    金融政策の思想から変更すべきかもしれないが、執行部・金融政策決定会合にはそうした舵を切る度量がない。
    また、実質的なマネタイゼーションを継続してきたことから、日本はすでに財政従属に陥っており、金融政策には自由度がない。

日銀にはやれることもなく、効果もなく、修正もできない。
そもそも期待に働きかけると宣言してきた日銀が期待されないなら、日本の金融政策をあてにすることはできまい。
今後、多少為替や株価を動かして、ブローカーや幸運な投資家を喜ばせることはあるかもしれない。
しかし、そうしたことが日本経済全体に意味のある好循環を生み出すとは期待しない方がいい。
(可能性がないとは言わないが、かなり分の悪い賭けになろう。)
むしろ、コラテラル・ダメージ(ある政策のために起こる巻き添え被害)の問題の方が大きく感じられてしまうのではないか。

(次ページ: 日銀暴走の可能性)