河野龍太郎氏:内閣支持率が高いワケ

河野龍太郎

BNPパリバの河野龍太郎氏が、安倍政権の高支持率の理由を分析している。
高い支持率は「将来世代の所得を先食い」する形で実現しており、いずれ限界が来ると予想している。

高い内閣支持率のワケ

Reutersへの寄稿で河野氏は、欧米と比べて日本の内閣が際立って高い支持率を集めている理由を探している。
「安倍政権は2%成長と2%インフレを達成することで、社会保障制度改革や公的債務の膨張などの長期的問題を解決すると言っていたはずであり、その戦略が瓦解したのは明らか」なのにである。
こうした疑問は、最近ニューヨークで面会した投資家らから最も多く寄せられた質問であったという。
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河野氏は、安倍政権をこう評する:

「歴代政権の中でも、これほど景気循環にきめ細かな配慮を示す政権は存在しなかった。
それゆえ、財界からも安倍政権への支持は簡単には揺るがないのだ。
・・・
2%成長や2%インフレといった非現実な政策を掲げ、日本も同じ運命をたどるのかと思われたが、少子高齢化による人手不足と事実上の日銀ファイナンスによる追加財政によって需給ギャップは改善が続き、高い支持率の下で政治も極めて安定している。」

財界への気配りを絶やさない一方、非伝統的金融政策に支えられた財政政策によってバラマキも忘れない。
こうした選挙のための配慮が高い支持率を実現していると示唆する。

高い支持率は持続可能か

ただし、こうした効果の諸元が金融安定化政策の範疇から発する限り、いつかは反動に立ち向かわざるをえなくなる。

「しかし、追加財政の効果の本質は、将来の所得の前倒しである。
つまり、将来世代の所得を先食いする形で、足元の政治的な安定性が確保されているということだ。
一方で、潜在成長率はゼロ近傍まで低下し、将来の税収で公的債務を解消することはますます難しくなっている。
各国と手段が違うだけで、同根と言うべきだろうか。
すぐにではないにせよ、いずれ限界は訪れる。」

河野氏は、この限界が訪れた時に内閣支持率が大きく変化すると言いたいのだろう。

確かに、経済をよく見せることは支持率向上につながるだろう。
しかし、票を持っているのは財界ではなく個々人。
個人にとってアベノミクスはどう見えているのか。
急激な円高による失職のリスクは減ったかもしれないが、実質賃金が持続的に改善する気配はない。
こうした低レベルに満足する人ばかりになってしまったのだろうか。

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