榊原英資教授:金融緩和は限界、円高へ

榊原英資

ミスター円こと青山学院大学 榊原英資教授が、日本の金融緩和は限界を迎えつつあると指摘した。
日米金融政策のダイバージェンスに変調が見られ、それが円高をもたらすという。

榊原教授はBloombergとのインタビューで、ドル円がすぐにでも100円を切る可能性があるとし、95円まで下落するかもしれないと予想した。
「円は徐々に強くなり、来年末には90円までいってもおかしくない」と、中期的な円高トレンドを解説した。

背景にあるのは、日銀の金融緩和が曲がり角を迎えつつあること。
日銀が先週公表した「総括的な検証」の結果は、緩和強化と言える内容ではなかった。
米FRBの利上げが進まず、日本の金融緩和に打ち止め感が出れば、円安転換のモメンタムは働きにくい。
国債買入れが買い入れる玉の枯渇により限界を迎えれば、代わりの強力な緩和手段はマイナス金利となる。
しかし、榊原教授は、金融機関から不評のマイナス金利が深掘りされるとは考えにくいと語る。

「金融政策は少なくとも疲弊しつつある。
長い間駆使してきたため、効果はどんどん逓減している。」

日米金融政策のダイバージェンス見通しが変化しつつある中、少々の円高ドル安は自然なことであり、95-100円の為替水準が日本経済を著しく悪化させるとは考えにくいと榊原教授は語る。

「今の円高は危機的レベルではない。
(私が財務官なら)90円、80円と割り込んでくるような場合に米国と協調介入を相談し始める。」