早川英男氏:マイナス金利深掘りは0.5%まで

早川英男

元日銀理事の早川英男氏がインタビューに応え、為替や金融政策の動向についてコメントした。
株高・ドル高は自然な流れと解説したほか、マイナス金利の限界・長期金利ターゲットの実行可能性にも言及した。

リスク・オンは自然な流れだが・・・

早川氏はReutersのインタビューで株高・ドル高が自然な方向性とコメントした。

トランプ勝利の当日、日本市場はショック状態に陥った。
その時点の自然な反応として市場はリスク・オフに傾き、急速に株安・円高が進んだ。
この流れはトランプ氏の勝利宣言を境に一変する。
トランプ氏が米社会の融和を適切な作法で呼びかけると、世界の市場は真逆の方向に切り返した。
早川氏は、海外市場での急速な株高・ドル高を「驚き」と振り返ったが、一方でこの株高・ドル高は自然なことであると分析する。

  • 米株高: 減税・インフラ投資は「少なくとも株式市場にとってはいい政策」
  • インフレ: 完全雇用下で財政拡大や保護貿易をとれば「国内需給がタイトになり、インフレになりやすい」
  • 米金利: インフレが昂進すればFRBが利上げに追い込まれる可能性も
  • ドル高: 利上げすればドル高になる

トランプ・ブームは続くか?

一見、株高・ドル高は悪いことでないように思えるが、早川氏は首を捻っている。
株高の恩恵は一部の層に偏るものだし、インフレ昂進はあまねく家計を苦しめるからだ。

「株式市場にはとても歓迎されるが、トランプ氏に投票した米中西部のブルーカラーの人たちにとっては、不幸な結論になりかねない」

選挙戦の最中、ジョゼフ・スティグリッツ教授は、トランプ氏の政策を新自由主義・トリクルダウンの誤りと非難した。
同様の主張は世界的に広まっている。
こうした観点からもトランプ政権は庶民の見方とは言い難い。
それでも、トランプ支持者は今後4年、新たな大統領を支え続けるのだろうか。

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