早川英男氏:ドル高は動かない

早川英男

元日銀理事の早川英男氏が、米金利上昇・ドル高を予想した。
日銀のイールド・カーブ・コントロールについては、将来インフレが上昇すれば、コントロールが困難になるとの懸念を示した。

米ドル上昇は動かない

早川氏はBloombergのインタビューで「金利は上がるし、物価も上がるだろう」と予想した。
トランプ次期大統領の政策について

「伝統的に小さな政府を志向する共和党が上下両院を制したので、インフラ投資はともかく、減税はある程度実現するだろう。
財政赤字が相当大きくなることは避け難い。」

と分析。
完全雇用を実現し、賃金上昇が加速しそうな状況下で、金利・物価の上昇が予想されるとした。
米財政悪化や保護主義がインフレを助長し、長期金利が上昇すれば為替はドル高が動かないという。

18日のドル円はさらに円安ドル高が進み、1ドル110円をはさむ展開となった。

発動された「指値オペ」

早川氏は「日銀は何もしないでこのままごろ寝をしていればよい」と言う。
9月の「総括的な検証」が金融引き締めと取られれば円高の懸念もあったが、大統領選後の大幅なドル高によって「1ドル=100円割れのストーリーはかなり消えた」と見ているからだ。

早川氏は日銀に「ごろ寝」を勧めているが、実際には日銀にはごろ寝を決め込む暇はない。
昨日17日、日本国債の利回りが上昇するのに対処するため、日銀はイールド・カーブ・コントロール(YCC)導入後初となる「指値オペ」をアナウンスした。
2年債▲0.09%、5年債▲0.04%での指値だったが、両利回りに対応する債券価格は市場の実勢を大きく下回ったため応札はなかった。
しかし、市場は日銀の本気度を感じ取り、国債利回りは低下した。
買入れを行わずに金利を低下させたわけで、理想的な節約運転ができたと言えよう。

(次ページ: 試されるYCCの実行可能性)