加藤出氏:日本経済を社会主義化するかのよう

加藤出

東短リサーチの加藤出氏が、9月に予定されている日銀金融政策決定会合での「総括的検証」について注文をつけた。
買入れたETFを将来放出すれば株が暴落しかねず、量的緩和の出口は至難と予想した。

週刊ダイヤモンドへの寄稿で加藤氏は、市場で噂されている強力な追加緩和やマイナス金利撤廃といった予想を否定した上で、総括的な検証の狙いを

「インフレ目標達成に向けた闘いを、短期決戦から持久戦に事実上シフトすること」

と予想している。
加藤氏は、ECB・BOE・SNBなどの中央銀行でもインフレ目標を掲げているとしながら、中期的達成を目指している点を指摘する。
「インフレ率を短期間に目標値へ誘導することは不可能」との考えは、中央銀行や市場で共有されているとし、日本銀行だけが短期決戦を装っている現状をいぶかしんでいる。

加藤氏は、増額された年6兆円のETF買入れを「すごい金額」と表現する。
「外国人投資家全体でも、日本株を年間6兆円買い越すことは滅多にない」からだ。
この大量のETF買いは、日銀を巨大な日本株投資家に仕立て上げてしまった。
日経平均225社のうち「日銀が大株主の上位10位に入っている企業は9割弱」といい、この傾向は買入れが進むにつれ顕著にならざるをえない。

日本について、マーク・ファーバー氏は社会主義化・計画経済化、ピーター・シフ氏は共産主義化が進むと予想していた。
少々極端なレトリックを好む両氏のことだから、相当に割り引いて聞くべき話だった。
しかし、昨今の日銀の資産買入れを見ていると、笑い飛ばしてもいられない。
加藤氏も「日本経済を社会主義化するかのよう」と疑問を呈している。
過去、日銀はよほどのことがない限り、軽々にリスク資産を買い入れることはなかった。
それが、今や増額も含めて逐次投入化・ルーティーン化されたように見える。

日銀の量的緩和が出口を迎えることはあるのだろうか。
加藤氏は
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「日銀が将来ETFを売却すると言ったら、それらの株(ETFに組み込まれている銘柄)は暴落する可能性があるため、出口政策は極めて難しい」

と指摘している。
事は株式だけではない。
債券価格も不動産価格も、意図してか、結果的にか、日銀が吊り上げてきた。
量的緩和に出口は期待できないというのが最善の想定だろう。