加藤出氏:不信の二重否定

加藤出

東短リサーチの加藤出氏が、日銀の新たな金融政策フレームワークについて心配している。
非伝統的政策の出口はますます遠のき、当面ヘリコプター・マネーと同等の状況に置かれることになると指摘した。

加藤氏は週刊ダイヤモンドへの寄稿で、日銀の新たな金融政策の功罪を論じている。
日銀が2%の物価目標の達成時期について現実的な見直しを行った点については評価したものの、オーバーシュート型コミットメントとイールドカーブ・コントロールについては「先行き大きな問題を招く恐れがある」と懸念している。

オーバーシュート型コミットメント

見直し前には2%としていた物価目標は「インフレ率が安定的に2%を上回ること」に変更された。
加藤氏は、過去「2%を超えたのは1990年代初期のバブル経済終盤」であるとし、金融緩和が永遠に終わらない危険性があると指摘している。

これについては、今回の変更での懸念点とは言えないだろう。
2%だろうが2%超だろうが、《タッチする》だろうが《安定的に上回る》だろうが、非常に高いハードルであるのには変わらない。
今回の政策変更について緩和強化であることをアピールしたかった日銀のレトリックにすぎない。
もはや、金融緩和に安楽な出口はないし、日銀の意思とは関係なく突然出口が訪れる可能性の方が高い。

イールドカーブ・コントロール

これまで日銀は、超過準備への付利(マイナス金利)により短期金利を、長期国債買入れにより長期金利を操作してきた。
このうち長期金利については、金利に目標を定めるのではなく買入れ金額(正確には残高増)に目標を定めていた。
今回の政策変更では、長期金利にとりあえず0%の目標を定め、買入れ金額の目標を柔軟化することとなった。
加藤氏はこの政策をヘリコプター・マネーと同等と考えている。
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「ゼロ金利の永久国債を日銀が大規模に引き受けることと当面は変わらないだけに、バーナンキ氏も指摘するように、『擬似ヘリコプターマネー』と見なすこともできるだろう。」

加藤氏が言いたいのは

ということであろう。

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