加藤出氏:マイナス金利は終了時に効果を上げる

加藤出

東短リサーチの加藤出氏が、日銀に構造改革を強く注文すべきと主張している。
一見筋違いな話の裏には、逃げ水のように遠ざかる金融緩和のゴールが関係していた。

マイナス金利は終了時に需要が喚起される

加藤氏は週刊ダイヤモンドへの寄稿で、20-21日に予定される日銀の「総括的な検証」において構造改革の必要性も強くアピールすべきと主張している。
これは正論だし、そうした内容を日銀が言及する可能性はあろう。
しかし、体育会的な日本の組織文化の中で、日銀が自身の役割分担とは言えない構造改革について強く求める可能性は残念ながら高くないのではないか。
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加藤氏の寄稿で興味深いのは、スウェーデン中銀のマイナス金利政策についての記述。
同中銀は「2018年にマイナス金利政策をやめる可能性が高いという予想を発表して」いる。

「『マイナス金利は期間限定の政策』だと人々が思うと、投資や消費は誘発されやすい。」

日銀は、量・質・金利の緩和がまだまだ進めうると盛んにアピールしている。
借金をする側からすれば、まだ金利が下がるなら待っておこうと考えるのも当然だ。
結果、投資や消費を急ぐ必要はあるまいという話になる。

金利が上昇するなら資産価格下落のブレーキが

では、金利が転換点を迎えこれからは上がりますよ、と日銀がシグナルを出したらどうなるだろう。
借金をする者からすれば、借入を急ごうという話になる。
しかし、ここでも注意が必要だ。
金利上昇は資産価格の下落を連想させる。
借金したお金の使い道における不動産などの資産購入(またはそれに連動する賃料など)の割合が高い場合、金利は低いが買い物は高づかみという印象を持つかもしれない。
借金にはアクセルを踏んでも、投資や消費にはブレーキを踏むかもしれない。

こうした机上の空論が教える最適解は、金利がもう下がらないが上がりもしないというシグナルだろう。
もう下がらないなら借金を待つ理由はない。
上がらないなら、現在の超低金利を考えれば、方向性は資産インフレだろう。

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